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「は!?銀(シロ)が三国!? 何それオレ聞いてねえんだけど。
てっきりウチに来るモンだとばかり。
九頭龍に来んならまあ確かに親子で先輩後輩になっちま……あ、関係ねえの?
……オレの見た限りじゃあ、三国の喧嘩の方が銀には合ってるかもしんねえけどさ。
ま、これで、偶に三国へ足伸ばす口実ができたんじゃねえ?」
悲願のねこラーメン達成よりも銀の成長が気になる男。
銀ちゃんもまた可愛い妹分であったようです。
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ひとひらのさくら。
何も知らない、わからない。
けれどなぜだかそのまま風に流してしまうこともできなくて。
押し花の栞にして、持ち歩いている。
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(金の針銀の糸)
(青い腕章の裏に、己の赤い腕章を重ねて縫う)
(内側に隠すのは白い紙、わたしだけの魔法)
(左腕につけるそれ)
(心臓にとても近い位置)
(動脈と静脈を表す色にも似た)
(あなただけの魔法)
(遠ざかる足音を縫い止めることはできないけれど)
(重ねた吐息は確かにあったから)
(会いに行ける)
(膝を抱えずにちゃんと立っていられる)
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「……わあ」
届いた預かりものに思わず声が出た。
刺繍の数々が本当に、らしくて、なんかちょっと笑ってしまって。
またひきずることになったんだろうなと思うと。
「これは、かわりに、背負う、は、できないやつだな……」
袖を通せるのはひとりだけだ。
肩を揺すって、ハンガーにかける。
回覧も面白いかもしれないと思いながら。
返事を認める。
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