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“望”むことをやめなくてよかった。
“いちる”がむすんだものがあった。

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卒業後、院に戻って家事手伝いの傍ら、左手ながら書道を始める。
三本足で歩くのもだいぶ慣れてきた頃、“流星一縷”はいなくなって。
“天川望”として実家に戻されても、毎日のように半紙に、ノートに向かい合って。
離れでひっそり身内向けに「習字の先生」をしながら静かに生涯を過ごすのだろう。

もしかしたら、どこかの書道の展覧会やコンクールで。
「一縷」と添えられた作品が片隅を飾ったかもしれなかった。





おもいでのかけら



志方朱里

オイ一回も勝ッてねェぞ!!!!!!!!
あんにゃろ、いつの間にかいつもふっと届かねえとこに行っちまうンだよな。
気張れッつう言葉に何度やってやッぞッつう気持ちになったか知れねえ。
……多分、なんつーか、その。
トモダチなんじゃねえかな。  ッて、まー、勝手に思ってンよ。


老月流夏

ブッ飛ばすぞ!!!!!!!!!!
ヒトのこと散ッッ々仇名やらなんやらで弄りやがって!!!!
笑っちまうくらい楽しかったよ。全部。
喧嘩以外でなんかしたッつったら此奴くらいなンじゃねえかな。ジャズ喫茶のしゃらくせえ感じ忘れらンねえ。
楽器やらなんやら趣味の多い奴だッたけど今何してンの?結婚してンの?


吾妻炎丈

まーなんつかアレだ、あんま表立ったコトもしてきてねェから。
呼び出し食らった時ァちょいと意外だったがよ。全然悪ィ気はしなかった。
あんな熱くてでかい竜が喰らいに来たンだ、正直滅茶苦茶怖かッた。ンで、燃えた。
難儀なモン背負ってそォな奴ン中に“りゅうせい”ひとつ放り込んじまって。
私ァ報われた。間違いなくだ。 その分、彼奴の望みが叶やァいいと思ってる。


霜花白雪

ひょんなことで知り合った腹パン娘。違ェな、熱ッちィ雪女……ゆきむすめ。
調整に付き合って、最後一戦もして。ことごとく人の心を誘うンが上手いと思ったよ。
そりゃァ引き込まれて帰ってこらンねェ奴も出らァな……
私ン星を持ち続けてる唯一の奴だよ。願掛けも済ませてあンだから。
ちゃんと沢山望んで沢山叶えてけよ、可愛い後輩。


結野康友

普通に生きてりゃァ交わることもねえだろうエリート様だ。
線が重なるンも多分あの三年間のみだろう。
そんでも、あれだけ競い合って次だ次だと言い合った三年間はかけがえのねえモンだったよ。
最後まで居られたンも、居てよかったと思ったンも、結野のおかげだよ。
……あんま真顔で言ってッとぞわぞわすンな。
まー、あれだ。 ドリルやって褒められンのも、目に見えて上達すンのも楽しかったし。
多分、そんなことしながら“次”をずっと待って生きていくつもりだ。











*****




「せんせー、のぞみせんせー」
「なんだもう飽きたンか、ちゃんと十枚書いて一番いい奴出さねェと終わらねえぞ」
「あれあれ、うしろにかざってあるやつ、あの漢字、あたしといっしょ」
「あん? ………嗚呼、そォだな、ゆっこと一緒だ」
「なんで?」
「…… 内緒にできるか?」
「! するする、できるできるよ!」
「終わりよければ総て良しなんてェ言葉があるが」
「うん」
「その、終わりがこなけりゃァずうっと望んでいられるっつう願掛けだ」
「………?」
「………」
「どゆこと?」
「そら、早くやっちまえ」
「どゆこと!!??」
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