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(きっと、たぶん、あったであろうおはなし)
(問題等ございましたらご一報ください)
(化蛇医院)
(薄暗い室内)
(消毒液と鉄っぽさの混じる匂い)
(敷いてもらったおふとん)
(左がといき、まんなか蜜華ちゃん、右がこーたろーせんぱい)
(ぬくい)
(心地よい安らぎ)
(身動ぎをするとまだ痛い)
(思い出したように口を開き)
「…… あのねえ ……」
(眠気で輪郭のはっきりしない声)
「…… といき、こんかいの、ていりつはいは、ぜったい、ふたりを、まもりたくてね」
「生きねば、ならぬ、アメイジング、だから」
(内緒話のように)
「けど、 ……やっぱり、じょうずじゃなくてね」
(夜に浮く囁き)
「それで、こわくて、でも、もろともやられたら、も、あったから、」
「…… きっと、ただしい判断で」
「…… だから、こわかった、 けど、」
「あれで、がんばれたのも、ほんと」
「うさきつねに、つなげる、を、したいと、背がのびたんだよ」
「こんどは、もっと、がんばるからね」
「ありがとねえ……」
(まったく仕事をしない表情筋がゆるゆると緩んで)
(窓の外は月明かり)
(きっと明日も晴れるはず)
(ふたりにかかるおふとんをぽんぽん撫でたりしながら)
(話されることがあれば、途切れる意識の合間に耳を傾け)
(そうして、きっと、そのうちに夢の国に落ちていく)
**********
(別の夜の事)
(深い深い眠りに落ちて)
(夢も見ていないのに堪えるように寄せられた眉)
(ぎゅっと息を殺していたけれど)
(身動ぎしたはずみで触れた柔らかい翠髪だとか)
(意識にまでは届かなくても耳を撫でた声だとか)
(ちゃんとそこにある気配)
(そういうので、次第に、眉間の皺はなくなって)
(寝息は規則的になり)
(次の日の朝は、ちょっと派手な寝癖をつくってしまいつつ)
(ホットヨーグルトを味わいながら、最後まで頑張ろうの話をしたはず)
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